【C90戦利品感想】アイドルが死ぬ合同

2016年08月16日 23:47

普段ほぼほぼ宣伝ぐらいでしか更新してないこのブログですが。
C90のアイマス島はだいぶ尖った本が多かったなぁ、という印象がありました。
かくいう自分も墓標みたいなもんを出したのですが、
やっぱり今回のC90のアイマス同人に置いて外せないのはこの本でしょう。

「アイドルが死ぬ合同」
ド直球なタイトルですし、観客にパフォーマンスで活力を与えたり、所謂「生」のキラキラしたイメージと相反するモチーフではあります。
ただ、アイドルと一対一のプロデュースを築く、というある種人生観が見える作品とも言えるアイマスにおいて、
これ以上ないモチーフですし、作品を描いてる身としては「俺も描きたかった!」となるものです。
んでまあ、そんな刺さる作品に対して発信したい感想が出ない筈もなく。

ただ、合同誌という都合上どうしてもTwitterとかに載せるとなると物凄く感想を間引いて書かなきゃならないのが苦しいところ。
なのでここを使う次第。
追記の方に各漫画の感想を乗っけてくので、どうしても内容のネタバレは含みます。
とりあえず読んでないって人は買って!再販予定されてるみたいですし、なんならDL販売もあるみたいですから!


--内容に踏み込んだ感想ここから--







「永遠の蒼」…ヨガ道場さん
ヨガ道場さんの本は「本田さんはアイドル」「完璧なオレンジ」の2作が好きすぎて、
自分の中で非常に応援してる作家さんです。
中盤までのニュージェネの3人のコントのような応答からのしんみりした〆。
空気の持って行き方が上手いですし、この漫画が合同誌のトップバッターなのも納得です。
自身の終わりを想像する、という凛のブログ案の話は、
思春期なら多くの人が一度は考えるんじゃないかな、と
最後のコマで卯月と未央が老けた顔でなく、当時の姿(上手い言い方が見つからない)なのは、
遺影の凛が同じく当時の姿なのも合わせて、
葬式シーンの老けている方の部分が凛の「未来の話」に寄せた部分なのかなぁと思ったり。


「アイドルは時々死ぬことがある」…テリー・ロケッティアさん
正直自分はテリーさんを存じあげておらず、作風がどのようなものか想像つかなかったのですが、
一言で表すなら「強い」なと。
シリアス一辺倒になりがちなこのテーマでこのギャグをぶっ込んでくる強さ。
しかもテンポ良くてめちゃくちゃ面白いのよ。
全く関係ないけど多分この映画低予算ホラー感出てて俺絶対好きな奴だ。


「Elie.」…大作さん
まず合同誌の発表があった時に、大作さんが選んだアイドルが晶葉だってことにびっくりしました。
てっきり香典話とかで律子で描くのかな?とか思ってたもので・・・。
そして内容の話。晶葉Pなのでちょっと長くなるよ。
晶葉は、アイドルというものとの出会いによって人生が大きく変化したアイドルだと思っています。
そんな激動のアイドル体験を、晶葉がロボに興奮混じりに録音していく光景を想像するとキュンキュンします。
作中でP以外の人と結婚して、という描写こそありますが、
晶葉がロボに吹き込んだ通り、やっぱりPによって人生は大きく変わって、彼女自身の心情も大きく変わった。
死生観についても大作さんがあとがきで触れられているように、残すこと、次代に伝えること。
Pが人生を変えた晶葉、その言葉が晶葉の父親が作ったロボを通して孫の人生を変える。
奇しくも彼女と同じ年に、目元に祖母の面影を残した孫がアイドルを志す。
晶葉は向こうでどんな表情で見てるんだろうなぁ・・・。いつものドヤ顔で笑っててほしいなぁ。
やっぱりこういう繋いでいく形のテーマが凄く好きなんだなぁ、と改めて思った次第です。


「彷徨う金魚と殻の罪」…安部愛コさん
愛コさんの毒気のある漫画が物凄く好みでして。
多分今回の合同誌を通して一番重い話かなと思います。
例えば実際に好きな芸能人の訃報が耳に入った時、確かに悲しみはすれど、
別に受け入れようとどうという話もなくいつの間にか「その人がいないこと」に慣れて、
忘れてしまっているというのは実際にある話で。
ですがその一方でいつまでも死を引きずってしまうというのもある話。
この作品の中でも、美嘉はみりあの死を受け入れられず、頻繁に登場する時計の如く、
彼女の中でみりあの死を聞いた瞬間に留まってしまっている。
前半で描かれたギョッピーの死も引きずってしまっていて、
改めて美嘉は見た目とは裏腹に(といっちゃ失礼だけど)物凄く繊細で、か弱いんだよなぁ、と。
物語としては彼女の中の時計がみりあの死の瞬間から動き出すところで終わりますが、
この先美嘉がどうみりあの死を「受け止めて」いくのかも読みたいなぁと思いつつ。


「シュークリーム」…ニコラス籠さん
「死」を描くにあたって「一周忌」を思ってくるのは「なるほど!」とまずは。
葬式とかの法事って、残された人のためのもの、という話はよく聞きますが、
周囲を描くことによって本人を深く掘り下げていくにあたって、法事は非常に凄い題材だなぁ・・・。
アニメのシンデレラガールズでもムードメーカー的な立ち回りをしてたり、
彼女の包容力が受けた周囲の皆の影響、孫に残る面影。
大作さんの話の感想でも言いましたが、「残すこと、伝えること」がこの作品にも詰まっていると感じました。
人生観というよりもむしろ、「三村かな子」という人間の生き様を魅せつけられた感じ。
作中で彼女の死の瞬間については触れられていませんが、きっといい笑顔で逝ったのだろうなぁ、と勝手に妄想しています。
そして、内容とはズレる部分ではあるのですが、一周忌で来ているアイドル皆が凄く良い老け方してるんですわ。
この笑顔にもかな子の残したものがあるのかなぁ、と。
「死」モチーフでありながら、始終幸せに満ちている作品。


「-Memento Mori-」…デェタさん
「死」を題材にした合同誌のトリを飾るのがアイドルの始まりの物語ってすげえよ。
Memento Mori、「死を記憶せよ」と訳されるそれは、
生への執着を否定する意味合いでも、死を待つがゆえに生を謳歌しろという意味合いでも使われますが、
この作品では後者でしょう。
アイドルをするかどうかの迷いの中で人生、ひいては死を考えるのって、文香ぐらいだよなぁ、と思いつつ、
文香だからこそ輝く自己問答なのかなと。
Pの名刺に書かれたセネカの名言、そこに書かれた一言。
そうだよ、アイドルになるって人生が物凄く変わるんだよ、
Pのスカウトは1人の女の子の人生そのものを激変させる行為なんだよ、と主題とは逸れるかもしれませんが
強烈に感じる部分でした。
死を思うことと生きること、その2つは逆のことに見えて実のところ物凄く近いのだなぁというのをまざまざと感じる作品でした。


総括というか。
いやもうまずは間違いなく買ってよかった本だったという他無いでしょう。
錚々たる作家陣が全力でアイドルの人生についてぶつけてくるんだぜ?
死生観というか、「死」というテーマを与えられた時にここまでバリエーションが出るのか!という驚きと、
それを抜きにしても一作一作が完成度高くて素晴らしいので、これホントみんな読んでくれという。
語彙力だったり文章の組み立てもボロボロですが感想としてはここで〆させて頂きます。

アイドルでなく、Pが死ぬ合同誌が企画されてて、そちらには自分も参加予定なので、ちょっと自分の死生観も改めて振り返ってみないとなぁ。
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